商標登録の手続きについて

自社のサービス名やロゴを「商標登録」したいと思っても、手続きが分からず不安に思うかもしれません。本記事では、商標登録の出願から登録までの具体的な手続きの流れ、必要な準備、おおよその期間を解説します。

商標登録の手続き①:出願(申請)前の準備

商標登録の手続きは、申請書類を提出する前の「準備」が非常に重要です。このステップを怠ると、時間と費用が無駄になる可能性があります。

STEP 1:登録したい商標と「区分」の決定

商標登録の手続きを始めるにあたり、まず決定すべきは「何を」「どの分野で」守るかです。具体的には、登録を目指すネーミングやロゴ(商標)を確定させます。それと同時に、その商標を使用する商品やサービス(役務)を指定しなければなりません。この商品・サービスは「区分」と呼ばれる45のカテゴリーに分類されています。例えば、アパレルなら第25類、飲食店のサービスなら第43類といった具合です。もし、指定した区分が実際のビジネスとずれていると、将来的に他者が同じ分野で類似の商標を使っていても権利を行使できない事態に陥ります。そのため、正確な区分選定は、手続き全体の土台となる非常に重要な作業と言えるでしょう。

STEP 2:先行商標の調査(必須)

商標と区分が決定したら、次に行う手続きは「先行商標調査」です。これは、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)などのデータベースを使い、自分が登録したい商標と同一または類似する商標が、同じ(または類似の)区分で既に出願・登録されていないかを確認する作業を指します。この調査は、手続き全体の中で最も重要と言っても過言ではありません。もし、調査を怠ったり、見落としがあったりしたまま出願手続きを進めても、後の特許庁の審査で「類似商標あり」として拒絶されてしまいます。そうなると、それまでにかかった出願費用(印紙代)と時間は戻ってきません。確実な登録を目指すため、この調査手続きは必須となります。

商標登録の手続き②:出願から登録まで

準備が完了したら、特許庁へ実際に出願(申請)手続きを行います。出願から登録までは一連の流れに沿って進みます。

STEP 3:「商標登録願」の作成と提出(出願)

先行商標調査をクリアし、登録の可能性が高いと判断できた段階で、いよいよ特許庁への出願手続きに進みます。この手続きでは、「商標登録願」という公的な申請書類を作成しなければなりません。書類には、登録を希望する商標の画像や文字、指定する商品・サービスの区分、さらに出願人(あなたや会社)の氏名・住所などを正確に記載します。作成を終えたら、特許庁の窓口へ提出するか、郵送で送付します。現在では、迅速かつコストを抑えられる「電子出願(オンライン申請)」が主流となっているのが実情です。この「商標登録願」を特許庁が受理した日が「出願日」となり、この日から権利審査が開始されます。

STEP 4:特許庁による審査(出願〜審査結果まで約6〜12ヶ月)

出願手続きが完了すると、すぐに登録されるわけではありません。提出された「商標登録願」は特許庁に受け付けられ、「審査待ち」の状態に入ります。ここから、特許庁の専門の審査官が、あなたの出願が登録を認められるものかどうかを精査する手続きが始まります。審査官は、あなたが出願前に行った調査(STEP 2)と同様に、J-PlatPatなどを用いて先行商標の調査を厳密に行います。さらに、その商標が特定の商品・サービスの品質を示すだけの言葉ではないかなど、商標法で定められた登録要件を満たしているかを多角的に判断します。この審査期間が、商標登録の手続き全体で最も時間を要する部分であり、一般的には出願から約6ヶ月から12ヶ月ほどかかるとされています。

STEP 5:審査結果の通知(「登録査定」または「拒絶理由通知」)

長い審査期間を経て、特許庁の審査官による判断が出ると、その結果が通知されます。この通知手続きには、大きく分けて2つのパターンが存在します。一つは、審査官が「この出願は登録を認めても良い」と判断した場合に送られてくる「登録査定」です。これを受け取れば、権利化まであと一歩となります。もう一方のパターンが、審査官が「登録を認められない理由がある」と判断した場合に送付される「拒絶理由通知」です。これは、類似の先行商標が存在した、商標に独自性(識別力)がない、といった場合に届きます。この通知を受け取ったからといって、手続きが即座に終了するわけではありませんが、次の対応が必要になります。

STEP 6:(該当する場合)拒絶理由への対応手続き

もし「拒絶理由通知」を受け取った場合でも、諦める必要はありません。特許庁は、出願人に対して反論や書類の修正を行う機会を与えています。この手続きが「意見書」や「補正書」の提出です。「意見書」とは、審査官が指摘した拒絶の理由に対して、法的な根拠や使用実績を示しながら「登録は認められるべきだ」と反論する手続きを指します。また、「補正書」は、指定した区分の範囲を狭めたり、商標の説明を修正したりすることで、拒絶の理由を解消する手続きです。これらの書類を指定された期間内(通常、通知発送日から40日以内)に提出し、審査官がその内容を妥当だと認めれば、登録査定へと進む道が拓かれます。

商標登録の手続き③:登録料納付と権利発生

審査を無事に通過した後の、権利化に向けた最終手続きです。

STEP 7:「登録料」の納付手続き

審査官から「登録査定」の通知が届いたら、商標登録の手続きは最終段階に入ります。ただし、査定が届いた時点で自動的に権利が発生するわけではありません。権利を確定させるためには、定められた期間内に「登録料」を特許庁に納付する手続きが必須です。「登録査定」の謄本が送達されてから、通常30日以内が納付期限と定められています。この登録料は、権利を5年間保持するか、10年間保持するかを選択して納付します。当然、10年分の方が費用は高くなりますが、更新手続きの手間を省くことが可能です。この納付手続きを忘れてしまうと、たとえ審査に合格していても商標権は発生しないため、期限管理には細心の注意が必要です。

STEP 8:商標登録証の交付と権利の発生

STEP 7で指定された登録料の納付手続きが完了し、特許庁がその入金を確認すると、ついにあなたの商標が「商標原簿」という公的な台帳に登録されます。この「登録日」をもって、法的に保護された「商標権」が正式に発生します。これにより、他者があなたの登録商標と同一または類似の商標を、指定した区分内で無断使用することを法的に差し止めることが可能です。登録手続きが完了してから数週間後、特許庁から権利の証明書である「商標登録証」が郵送で届きます。これで、出願から始まった商標登録の一連の手続きはすべて完了したことになります。

商標登録の手続きは流れの理解と事前準備が鍵

商標登録の手続きは、出願、審査、登録という大きく3つの段階に分かれます。特に、出願前の「調査」手続きと、審査後の「登録料納付」手続きが、権利化の成否を分ける重要なポイントです。本記事で解説した手続きの流れを理解し、確実な権利取得を目指しましょう。

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導入目的で選ぶ!知財管理システム3選

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